先月リニューアルオープンした森美術館で “ シンプルなかたち展 : 美はどこからくるのか ” を観てきました。
最近いくつかの建築の企画展を観てとても刺激を受けたのですが、時代と共に表現が多様化して面白くなった一方、だから何?という冷めた問いに応えるのは至難の業です。
新たな気持ちでデザインに向き合う意味でも、抽象的な表現による刺激を欲していたので、今の自分にピッタリな企画展でした。
会場は当然撮影不可なので、公式サイトの掲載写真よりご紹介。
オラファー・エリアソン《丸い虹》
アクリルプリズムが創りだす光の移ろいと変化し続ける現象に魅了され、ついつい時間を忘れます。
コンスタンティン・ブランクーシ《空間の鳥》
困ったことにブランクーシの作品は、ブランクーシというだけで好きなのです(笑)。
作品タイトルの鳥がどうなのかは分かりませんが、普遍的な美しさを追求した造形は非の打ち所がありません。
アンリ・マティス《「ジャズ」9 形態》
有名な作品過ぎて今更語るのもアレですが、ここまで単純化しながらポップで美しいと思わせる表現は時代も年齢も関係無くなります。しかも切り絵ですからね。
アルブレヒト・デューラー《メランコリア I》
これは次に紹介する作品の布石となるものです。左手の鉱物のようなものにご注目。
カールステン・ニコライ《アンチ》
こちらは上の版画、アルブレヒト・デューラー《メランコリア I》にインスピレーションを受けたオブジェとのこと。カールステン・ニコライの作品は理解は難しいけど何か面白いです。作品に手を触れると音と振動がするのですが、サウンドモジュールとテルミンを使っているところはニコライらしい。
作品紹介にトランスデューサーとも書いてあるので、触れることにより電気信号に変換され、音と振動にしているのでしょうか。この作品にはちょっとした政治的サイドストーリーもあるみたいですが、語るのはやめときます。
余談ですが、期間限定で年間パスポートが3000円(通常6000円)だったので入会してみました。スカイデッキも無料だし企画展2回で元はとれるので、週に1,2回は六本木に出向く私には願ったり叶ったりです。
また六本木が楽しくなりそうです。